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だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠7(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 242,044 字 · 477 頁
卑怯の意味で後ろを見せるというわけではないが、君が強いて事を好めば拙者も手を束ねてはおられぬ、同行の諸君もそれを見てはおれまい。ここでおたがいが火の出るような斬合いをはじめて、どっちが勝ってみたところで、どっちが負けてみたところで、あるいは共倒れになってみたところで、無名の戦いは畢竟無名の戦いで、空しく人の笑われ草となるに過ぎない。ここをよく考えてくれ給え、とかくの判断は後日として、宇津木君、今日は拙者を見のがしてくれ給え。さあ諸君」
と言って山崎は、棒を兵馬の前へ投げ出して、人数の中へハサまるが早いか、一団になって走せ去りました。
宇津木兵馬は、過ぎ行く乗物の一行を、その提灯の影が見えなくなるまで、茫然として見送っておりました。
「少々物をお尋ね致しとうございますのですが」
呼びさまされて見ると、自分の前に、見慣れない旅人風の男が立っております。
「何事です」
「ただいま、これへ一挺の乗物が通りは致しませんでしたろうか、ええと、たしか、源氏車の紋のついた提灯を持っておりましたはずで、お附添のさむらい衆が四五人、もっともその中に一人、さむらい体でないお方が、棒を持っておいでなさいましたはずで」