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たいしゅうぶんげいさほう

大衆文芸作法

直木 三十五

線上閱讀直木 三十五《大衆文芸作法(たいしゅうぶんげいさほう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 63,833 字 · 126 頁

青空文庫

外国に例を取るなら、ハッガードの探険談。ウェルズの諸作品。近頃では、テア・フォン・ハルボウ女史のメトロポリスなぞが、そうである。科学の進歩発展した今日、日本にも当然創作されなければならないものである。私は現代に於ける進歩とは、科学の発展以外の何物でもあり得ない、と断言して過言ではあるまいと思う。精神文明、芸術的諸作品、と云ったものは頽廃しつつある。少くとも科学と比較する時は、退歩していると云い得るだろう。斯る時に当って、日本に未だ曾て科学小説の現れなかったというのは、日本人が如何に科学に対して無理解であったかを示すものである。と同時に、今後に於て科学小説の領域に全き発達の余地が残されていることをも指し示すものである。

科学とは、単に機械に対する驚異というような狭い意味の言葉では、決してない。私の意見に依れば、人間の生活は、自然的倫理作用より科学的倫理作用に支配されるようになって来た傾向がある。と云うのは、科学は、必ずしも人間の要求する幸福を実現する方向にばかり進んでるのではない。人間は、自然的な人格作用として、人口の増殖と食物の増加を望む。この自然的倫理作用の命令に従って、科学が支配されるならば、一年中に米が三度取れるようになっているべきだ。