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たいしゅうぶんげいさほう
大衆文芸作法
直木 三十五
線上閱讀直木 三十五《大衆文芸作法(たいしゅうぶんげいさほう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 63,833 字 · 126 頁
第四章 文章に就いて
であると断言して憚らないものである。
もし、これを文学史的に観察するならば、嘗て人類が未だ宗教に情熱を有していた当時、文学が宗教と結び付いていたように、その後文学が哲学と結び付いたが如く、そこで、又文学者の人生観に依って、人類を救わんとした如く今日我々の情熱は社会制度の変革に燃えている。それと文学が結び付くことは、歴史的に必然なことである。そして次の時代に於て、文学が科学と結合するであろうことも亦文学の必然的な道程ではあるまいか。
第四章 文章に就いて
これより、愈々本論にはいる訳である。この章では、一般的に大衆文芸は、如何なる文章を適当とするか、を講ずる意りである。
大衆文芸に於ける文章は、記述の明晰にして理解し易いことを、第一条件とする。つまり、「話すが如く書く」ことを根本原則とするのである。だから、出来得る限りに於て芸術上の技巧的な個人性を出さないように努めなくてはならぬ。何故なら、技巧の表現の個人性が深まれば深まる程一般の人々に解りにくくなるものだからである。芸術が言葉の表現にある以上、芸術家としては技巧上の個性と謂うものは当然現れるものではあるが、所謂芸術小説とは異り大衆文芸といわるる一般向きのものであるからには、表現上個人的特異性のあまり深まるようなことは避けなくてはならない。