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たいしゅうぶんげいさほう

大衆文芸作法

直木 三十五

線上閱讀直木 三十五《大衆文芸作法(たいしゅうぶんげいさほう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 63,833 字 · 126 頁

青空文庫

現在、ユーモア小説作家としては、大泉黒石、佐々木邦の二人を除けば、皆無といっていいであろう。私の考えでは、かの夏目漱石の「坊っちゃん」や「吾輩は猫である」は、立派なユーモア小説であると思っている。

現在、世にユーモア小説として喧噪されているものの殆んど総ては、低級な言葉上の洒落とか、業々しく無理にユーモア的に歪められたる会話、故意に笑わそうと作られたるもののみである。かかるもののみがユーモア小説とされている現状に於て、我々は大いに考え直さなくてはならない。

だが勿論、ユーモアには、言葉及び会話の自然的な可笑しさが重大な役目を持つのである。外国のユーモア小説が翻訳されても、面白さが半ばなくなるのもその為である。例えば、改造社の世界大衆文学全集で翻訳されているし、フィルムにもなって我国へ輸入されたから、読者諸君も知っているだろうが、亜米利加で驚くべき売れ行きを示しているアニタ・ルース夫人作の「殿御は金髪がお好き」というユーモア小説でも、原書で読むと、仲々面白い洒落た会話が到る処に見出されて興味深いものがあるが、翻訳ではその味が全く無くなって、原書と比較にならぬ程面白くなくなっているのも、その故である。