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たいしゅうぶんげいさほう
大衆文芸作法
直木 三十五
線上閱讀直木 三十五《大衆文芸作法(たいしゅうぶんげいさほう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 63,833 字 · 126 頁
その中には、盛るに政治的宗教的、思想的内容をもってし、その作品に依って作者の思想を宣伝、流布しようとする物の一切の種類を含むのである。
明治時代の、我国に海外文芸が輸入された当初に、翻訳され、制作された一切の通俗的小説が、当時の自由民権の思想に影響され、その政治的社会的思想を、積極的に流布し、宣伝する目的のもとに書かれた宣伝小説であり、その他立志の、或は教訓的な宣伝小説であった。坪内氏の訳になるリットンの「開巻悲憤慨世士伝」とか、井上勤訳する処のモアの「良政府談」とか、創作では、東海散士の「佳人之奇遇」、矢野竜渓の「経国美談」等々皆然りである。
外国に例を求めるならば、マロックの「ジョン・ハリファックス・ゼントルマン」なぞは、立志的目的小説であり、ホオソンの「緋文字」は、宗教的、教訓的目的小説といい得るであろう。「アンクル・トムス・ケビン」は合衆国の奴隷解放を描いた宣伝小説であり、かのビクトル・ユーゴーの「レ・ミゼラブル」は、歴史的小説であるとともに、仏蘭西革命を書いた政治的社会的宣伝小説である。シェンキヰッチの「何処へ行く」等の歴史小説でも、当時なお人心宗教に篤かりし時代に於て、それは宗教的宣伝小説であった。