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きめんじょうのひみつ

奇面城の秘密/夜光人間

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《奇面城の秘密/夜光人間(きめんじょうのひみつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 150,254 字 · 300 頁

青空文庫

それが、旅行から帰った明智小五郎名探偵だったのです。

女中さんがとりつぎますと、主人の赤森さんがおどろいて、玄関へ出てきました。そして、ていねいに応接間へとおして、お茶やおかしをだして、もてなすのでした。

赤森さんは、まえには手びろく貿易商をやっていたのですが、いまは引退して、美術品をあつめるのを、たのしみにしているお金持ちで、六十歳ぐらいのでっぷりふとった、りっぱな人です。

「夜光人間が今夜、こちらへしのびこむとききましたので、旅行から帰ると、すぐにかけつけたのです。うちの小林がきているそうですが、どこにいるのでしょうか。」

明智が、たずねますと、赤森さんは、

「美術室で、見はりをしていてくれるのです。先生も、あちらへ、おいでくださいませんか。」

「ええ、そうしましょう。小林にかわって、ぼくが、見はりをひきうけますよ。」

そこで、ふたりは、おくまった美術室へはいりました。

ひろい部屋の壁いっぱいに、大小さまざまの洋画の額がかけならべられ、ガラス戸だなが、ずらっとならんでいて、そのなかに、うつくしい彫刻や、西洋のつぼや、花びんなどが、おさめてあります。