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きめんじょうのひみつ
奇面城の秘密/夜光人間
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《奇面城の秘密/夜光人間(きめんじょうのひみつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 150,254 字 · 300 頁
ひらいたドアの上のほうから、コンクリートの壁がおりてきて、それが下へ下へと通りすぎてしまうと、そこにあらわれたのは二階の部屋でした。
つまり部屋ぜんたいが、大きなエレベーターになっていたのです。
さいしょの部屋が地下室へおりてしまうと、そのあとへ二階の部屋がきて、ぴったりドアの入口にあうようにできているのです。
明智探偵のいる部屋は、地下にさがって、だれもいない二階の部屋が、一階へおりてきたわけです。
しばらくすると、こんどは部屋が、ぎゃくに動きだし、二階が上にあがって、明智の立っている部屋が、下からあらわれてきました。
「なるほど、部屋ぜんたいのエレベーターとは考えたね。」
中村警部が、感じいったようにいいました。
「で、四十面相は逃げてしまったのか。」
「うん、ぼくは、この部屋が地下室へさがっているとは夢にもしらないものだから、四十面相がドアのそとへ出ていくのを、とめもしないで見おくっていた。ドアのそとの廊下に、きみたちがいると思いこんでいたのでね。
ところが、部屋は地下室へさがっていたので、ドアのそとにはだれもいなかった。四十面相は、そのまま、地底のやみの中へ、すがたをくらましてしまった。