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きめんじょうのひみつ
奇面城の秘密/夜光人間
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《奇面城の秘密/夜光人間(きめんじょうのひみつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 150,254 字 · 300 頁
「一郎、おまえは少年探偵団なんかにはいっているので、いつも夜光怪人のことばかり考えている。それで、まぼろしを見たんだよ。もう探偵のまねなんか、よすんだね。」
おとうさんは、そういって、一郎君をたしなめました。
しかし、あれがまぼろしだったのでしょうか。一郎君は、どうしても、そうは思えないのです。すきとおった池の水の中に、ゆらゆらゆれながら、青く光る人間がよこたわっていました。目と口だけがまっ赤な、人間です。
一郎君は、その美しさをわすれることができません。そのばんは、水の中によこたわっている夜光怪人の夢を見ました。おきていても、ふと目をつぶると、まぶたのうらに、あの青い人間の姿が、スウッと浮かんでくるのです。
そのあくる日は、空が黒雲にとざされた、うす暗い日でした。
一郎君が学校から帰って、おとうさんの書斎へはいっていきますと、おとうさんはデスクの前に立って、ゾウッとしたような顔で、壁のだんろを見つめていました。その書斎は、窓が小さくて、うす暗い広い洋室でした。
一郎君も、おもわずそのだんろに目をやりました。いまは火をもやしていないだんろのおくに、青いまるいものが、ぶらさがっていました。