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にょうにんきんせい

女人禁制

豊島 与志雄

線上閱讀豊島 与志雄《女人禁制(にょうにんきんせい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 2,705 字 · 6 頁

青空文庫

だが、身体は追いついても、心は後れる。もう見ず識らずの他人だ。他人のあとについてゆくくらいばかげたことはない。

もう十一時過ぎなのか。だが十一時を過ぎても、他の場所だったら、たとえしんしんとした神社の中でも、淋しい野の中でも、彼女は何かしら生々としたものを、血の通ってるものを、示してくれるだろう。ところが銀座では、彼女は血の通わない自動人形だ。なぜだろう。もうこんなところを一緒に歩くものではない。そこで、私の心は更に後れ、身体まで後れてくる。然し彼女は知らん顔で、とっとっと歩いてゆくのだ。

三

東京湾で舟を乗りまわすのは面白い。乗りまわすといっても、和舟にモーターのついた、舟宿から出してくれるあれだ。

冬は鴨猟。夜のひき明けがよいので、少し寒いが五時頃、薄暮いうちから出かけるのである。御猟場の近くには、何度あらしても、また鴨が出てきている。対岸の木更津付近には、何万という鴨がついている。鴨に交って、鵜や鷺や雁もいる。鴎は禁鳥だ。昔はモーターの音を嫌ったものだが、近頃では却って帆影を恐れ、モーターの音には馴れている。わりに近くまで寄せられる。