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じょしきりがみねとざんき

女子霧ヶ峰登山記

島木 赤彦

線上閱讀島木 赤彦《女子霧ヶ峰登山記(じょしきりがみねとざんき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 5,198 字 · 11 頁

青空文庫

余は熱心なる女子登山希望者である。曩に三河国の某女が、下駄がけを以て富士登山の先駆をなし、野中千代子が雪中一万二千尺の山巓に悲壮なる籠居を敢てせし以来、奈良朝の昔、金峰山の女尼が、六尺男児を後へに瞠若たらしめた底の女子が追々増加して、三十五六年頃からは、各地女学校の団隊が追々富士登山を試みる様になったのは、寔に喜ばしい現象である。余の記憶に存して居る者のみにても、此の二三年に、富士登山を試みたのは余程ある。即ち三十六年には女子美術学校の生徒が登り、三十七年には山梨県師範学校女子部、女子体操音楽学校(二十余人中二人疲労)、神奈川県高等女学校等が登って居る。此の外嘉納氏夫人は三十六年に単独登山を行い、板垣伯、原敬二氏夫人はその翌年に登山を企てられたそうである。特に今年は樺山伯の孫女が、垂髫のろうろうしさを以て、繊小な足跡を山上の火山灰に印したと聞いては、眉を描き、眼尻を塗り、蘇芳に頬を染める女学生すらある今日に、吾党のため実に大なる援助を得たものと思われてうれしい。尤も右に述べたのは、皆新聞紙上に表れた者のみであるから、勿論吾人の視聴に触れない、幾多の巾幗登山者があったに相違ない。