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じょせいのれきしのななじゅうよねん

女性の歴史の七十四年

宮本 百合子

線上閱讀宮本 百合子《女性の歴史の七十四年(じょせいのれきしのななじゅうよねん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 8,551 字 · 17 頁

青空文庫

「日本の家庭の方が遙に善いよ。殊に昔風の家庭の方がよいよ」と。

しかし、福沢諭吉はこの明治三十二年に六十六歳で「女大学評論」「新女大学」を発表し、貝原益軒流の女庭訓でしばられた日本の女の社会的な向上のために周密真摯な努力と具体策を示しているのである。

自身女性である中島湘煙が、なぜ女はみな魔がさしているような非条理におかれているかというその原因にまでふれ、沈潜して理解してゆこうとせず、かえって男の福沢諭吉が女のために懇切、現実的であったという事実は私たちに何を教えるだろう。それぞれの人の為人の高低がそこに語られているばかりでなく、婦人そのものの社会的自覚が、その頂点でさえもなお遙かに社会的には狭小な低い視野に止っていた日本の女の歴史の悲しい不具な黎明の姿を、そこに見るのである。

景山英子は、その生涯の間には、婦人の社会的向上の問題の理解を次第に深めて、明治四十年代「青鞜」が発刊された頃には婦人の社会的な問題の土台に生産の諸関係を見、婦人の間に社会層の分裂が生じる必然の推移までを見て、平塚雷鳥が主観の枠内で女性の精神的自己解放をとなえていた到達点を凌駕した。