輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ようば

妖婆

芥川 竜之介

線上閱讀芥川 竜之介《妖婆(ようば)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 37,473 字 · 73 頁

青空文庫

と云いかけましたが、もう我慢が出来なくなったと見えて、男の膝へすがったなり、袖を噛んで泣き出しました。途方に暮れたのは新蔵で、しばらくはただお敏の背をさすりながら、叱ったり励ましたりしていたものの、さてあのお島婆さんを向うにまわして、どうすれば無事に二人の恋を遂げる事が出来るかと云うと、残念ながら勝算は到底ないと云わなければなりません。が、勿論お敏のためにも弱味を見すべき場合ではないので、無理に元気の好い声を出しながら、「何、そんなに心配おしでない。長い間にはまた何とか分別もつこうと云うものだから。」と、一時のがれの慰めを云いますと、お敏はようやく涙をおさめて、新蔵の膝を離れましたが、それでもまだ潤み声で、「それは長い間でしたら、どうにかならない事もございますまいが、明後日の夜はまた家の御婆さんが、神を下すと云って居りましたもの。もしその時私がふとした事でも申しましたら――」と、術なさそうに云うのです。これには新蔵も二度吐胸を衝いて、折角のつけ元気さえ、全く沮喪せずにはいられませんでした。明後日と云えば、今日明日の中に、何とか工夫をめぐらさなければ、自分は元よりお敏まで、とり返しのつかない不幸の底に、沈淪しなければなりますまい。