輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

むすめえんじゅつし

娘煙術師

国枝 史郎

線上閱讀国枝 史郎《娘煙術師(むすめえんじゅつし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 267,766 字 · 530 頁

青空文庫

奉書取り

「すっかり見もし聞きもしたよ。組頭へさっそく言上しよう」

――で、お粂と金兵衛との二人が、立ち去ったほうを見送ったが、以上を物語の発端として、次回から序曲にはいることにしよう。

奉書取り

三回ばかり足を早めて書こう。

ここは京都の烏丸通りの、徳大寺別邸の裏庭である。植え込みがしげく繁っていて、一宇の亭が立っている。時刻は夜で星がある。

亭で話している二人がある。一人は主人の徳大寺卿で、一人は公卿武士の清左衛門であった。

「これこそ大切の巻き奉書だ、留書き奉書といってもよい。大先生へお渡しするよう」

「かしこまりましてござります」

「で、すぐにも出立するよう」

「かしこまりましてござります」で、清左衛門は植え込みをくぐって、どことも知れず立ち去ってしまった。

と、その時一所で、物のうごめく気配がしたが、夜鳥か? それとも風の音であろうか? いやいや人間がいたのである。

番士の矢柄源兵衛であった。

「青公卿どもが懲りようとはせずに、またも陰謀を企てているそうな。ご城代様にはお心にかけられ、この俺を隠密に仕立て上げて、ここの邸へ入り込ませたが、大変な話を聞いてしまった。