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がくもんのすすめ

学問のすすめ

福沢 諭吉

線上閱讀福沢 諭吉《学問のすすめ(がくもんのすすめ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 87,080 字 · 170 頁

青空文庫

かくのごとく世を患いて身を苦しめあるいは命を落とすものを、西洋の語にてマルチルドムという。失うところのものはただ一人の身なれども、その功能は千万人を殺し千万両を費やしたる内乱の師よりもはるかに優れり。古来日本にて討死せし者も多く切腹せし者も多し、いずれも忠臣義士とて評判は高しといえども、その身を棄てたる所以を尋ぬるに、多くは両主政権を争うの師に関係する者か、または主人の敵討ちなどによりて花々しく一命を抛ちたる者のみ。その形は美に似たれどもその実は世に益することなし。己が主人のためと言い己が主人に申し訳なしとて、ただ一命をさえ棄つればよきものと思うは不文不明の世の常なれども、いま文明の大義をもってこれを論ずれば、これらの人はいまだ命の棄てどころを知らざる者と言うべし。元来、文明とは、人の智徳を進め、人々身みずからその身を支配して世間相交わり、相害することもなく害せらるることもなく、おのおのその権義を達して一般の安全繁盛を致すを言うなり。さればかの師にもせよ敵討ちにもせよ、はたしてこの文明の趣意に叶い、この師に勝ちてこの敵を滅ぼし、この敵討ちを遂げてこの主人の面目を立つれば、必ずこの世は文明に赴き、商売も行なわれ工業も起こりて、一般の安全繁盛を致すべしとの目的あらば、討死も敵討ちも尤ものようなれども、事柄