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いえ

家

島崎 藤村

線上閱讀島崎 藤村《家(いえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 126,748 字 · 254 頁

青空文庫

お仙は次の新座敷に小机を控えて、余念もなく薬の包紙を折っていたが、その時面長な笑顔を出した。

「お前さんも御休みなさい。皆なで御茶を頂きましょう」

とお種に言われて、お仙は母の側へ来て、近過ぎるほど顔を寄せた。母の許を得たということがこの娘に取って何よりも嬉しかった。

三吉も入って来た。

「貴方」とお種は夫の方を見て、「ちょっとまあ見てやって下さい。三吉がそこへ来て坐った様子は、どうしても父親さんですよ……手付なぞは兄弟中で彼が一番克く似てますよ」

「阿爺もこんな不恰好な手でしたかね」と三吉は笑いながら自分の手を眺める。

お種も笑って、「父親さんが言うには、三吉は一番学問の好きな奴だで、彼奴だけには俺の事業を継がせにゃならん……何卒して彼奴だけは俺の子にしたいもんだなんて、よくそう言い言いしたよ」

三吉は姉の顔を眺めた。「あの可畏い阿爺が生きていて、私達の為てることを見ようものなら、それこそ大変です。弓の折かなんかで打たれるような目に逢います」

「しかし、お前さん達の仕事は何処へでも持って行かれて都合が好いね」とお種が笑った。

達雄は胡坐にした膝を癖のように動ぶりながら、「近頃の若い人には、大分種々な物を書く人が出来ましたネ。