輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
「てらだとらひこのついそう」あとがき
寺田寅彦 わが師の追想
中谷 宇吉郎
線上閱讀中谷 宇吉郎《寺田寅彦 わが師の追想(「てらだとらひこのついそう」あとがき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 31,239 字 · 65 頁
「誰か耳の良い学生の人がいないかなあ、三味線はきっと面白いよ。それにあんなものわけなく弾けるようになるんだから。僕だって『松の緑』くらいなら弾けるよ」と先生は言っておられた。これは本気の話であって、先生の学校の部屋の隅には、赤い袋に入った三味線が暫く置いてあったが、結局誰もその方を志願する者がなくてお仕舞いになってしまった。今から考えて見ると惜しいような気もする。
もっとも話はそんな題目ばかりとは限らなかった。時には実験の心得について、稀世の名教訓が出たり、現代の物理学の限界を論ぜられたりすることもあった。もっとも幽霊の話でも、どんな重大な問題の議論でも、先生はいつも同じ口調で話されるので、最後は大抵は先生の所謂「大気焔」になることが多かった。二、三十人も人が集まると、先生はもうもぞもぞと口の中で話されて何のことか分からないのであるが、二、三人の弟子たちを前に置いてその大気焔を揚げられる時は、非常な雄弁であった。毎日のことながら、いつも少々毒気を抜かれた形で一同が神妙にきいていると、先生は少しきまり悪そうににやにや笑いながら「どうも僕が来ると、実験の邪魔ばかりするようだね」