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えいがじだい
寺田寅彦随筆集 第二巻
寺田 寅彦
線上閱讀寺田 寅彦《寺田寅彦随筆集 第二巻(えいがじだい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 207,099 字 · 419 頁
元子は互いに衝突する。その速度は一部は固有のものであり、一部は衝突によって得るものである。衝突の結果はいろいろである。ある元子はその複雑な形状のために互いに引っ掛かって結合して剛い物を造るが、あるものは反発して柔らかい物質となりあるいは全然離れ合ってしまう。これは言わば固液気三態の原子構造の説明と見られる。
元子が集まって微小な物体を作り、それが集まって、またそれより大きいものを作り、順次に目に見える物ができあがるというのである。これも原子から微晶、微晶から多晶金属の組成、あるいはまたコロイドから有機体の生成等の機巧と相通じる考えである。
日光に踊る微塵の有名な譬喩の出て来るのはこの条である。私のおもしろいと思ったのは、元子の寄り合ってできる細粒が、不可視的元子の衝動によって動かされて、粒全体としての運動を生ずるという考えが述べてあることである。それがちょうどブラウン運動の記述に相当する事である。
元子が動いているのにその組成物体が静止しているように見える事のあるのは何ゆえか。それはわれわれの「知覚には限界がある」からである、と言って、遠い小山に緑草をあさる羊の群れがただ一抹の白い斑にしか見えないという、詩人らしい例証をあげている。