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えいがじだい

寺田寅彦随筆集 第二巻

寺田 寅彦

線上閱讀寺田 寅彦《寺田寅彦随筆集 第二巻(えいがじだい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 207,099 字 · 419 頁

青空文庫

罪は頭のいい事にあった。もう少し頭が悪かったら、亮はどんなに気らくであったろう。

こういう不安と煩悶をいだきつつ、学校へ出ては発酵化学の実験をやり、バクテリヤの培養などをやっていた。そして夜は弟と二人で、よく寄席や芝居や活動を見に行って、やるせない心のさびしさを紛らせようとしていたらしい。胃の痛むのによく蕎麦や汁粉を食ったりしては、さらに自分に対する不満を増していたように見える。

「本日は弟と歌舞伎座に行く事になっていた。――父の病気に対する『愛なき恐れ』、金に対する不安、母の辛苦、不孝のために失われたる親子の愛情、学業に対する不忠実、このようなものが入り乱れている頭には、この大芝居の忠臣蔵もおもしろいはずはない。しかし芝居のようなざわざわしている所がいちばん『忘れる』に適している。」

その翌日の記事には、

「きのう芝居から帰りに、そばやしるこを食い過ぎたため胃のぐあいが悪い。学校を休む事にきめる。弟も休んでいる。絵をかいて暮らした。夜は末広亭へ雨がどしどし降るのに出かける。かなり大きな薄暗い小屋に二三人しか客が見えない。語る人も聞く人もさびしい。帰りはまたそばやで酒を飲んだ。