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えいがじだい
寺田寅彦随筆集 第二巻
寺田 寅彦
線上閱讀寺田 寅彦《寺田寅彦随筆集 第二巻(えいがじだい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 207,099 字 · 419 頁
ことしは睡蓮が著しく繁殖して来た。紅白二種のうちで、白いほうが繁殖力が大きいように思われる。実際そうであるか、どうか、専門家に聞いてみなければわからない。事実はどうだか知らないが、もしそうだとすると、これは一つのおもしろい問題になりそうである。それから、もし、睡蓮が他の水草を次第に圧迫して蔓延するか、しないか、これも問題である。物好きな人があったら、年々写真でもとっておいて、あとで研究したらおもしろそうである。
ついでながら、池には大きな鯉がかなりたくさんいる。あたたかい時候には時々姿を見せるが、寒中には、どうしているかさっぱり見えない。大きなすっぽんもいるそうだが、私はまだ見た事がない。あの火事では鯉やすっぽんもずいぶん驚いた事だろう。あの時に一度池の水の温度でも測ってみたらよかったと、あとで思いついたが、当時はそれどころではなかった。事によると薄いスプルングシヒトぐらいはできていたかもしれなかった。
鯉については、某教授に関する一插話がある。教授が池を見おろしながら、小使いの某君と話していた。教授が「あいつを食ったらうまいだろうな」とひとり言のように言ったのに答えて、小使いが、あまりうまくないとか、苦いとか言ったそうである。