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えいがじだい
寺田寅彦随筆集 第二巻
寺田 寅彦
線上閱讀寺田 寅彦《寺田寅彦随筆集 第二巻(えいがじだい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 207,099 字 · 419 頁
彼女は日本の女には珍しい立派な体格の所有者であった。容貌も醜くないルーベンス型に属していた。挙動は敏活でなくてむしろ鈍重なほうであったが、それでいて仕事はなんでも早く進行した。頭がいいからむだな事に時を費やさないのである。そうして骨身を惜しむ事を知らないし、油を売る事をしらなかったせいであろう。
自分は彼女の忠実さに迷惑を感ずる事も少なくなかった。かまわないで打っちゃっておいてもらいたい事を決してそうはしてくれなかった。つまり二つの種類のちがったイーゴイストはこの点で到底相容れる事ができなかったのであろう。
妙な事を思い出す。父の最後の病床にその枕もと近く氷柱を置いて扇風器がかけてあった。寒暖計は九十余度を越して忘れ難い暑い日であった。丑女はその氷柱をのせたトタン張りの箱の中にとけてたまった水を小皿でしゃくっては飲んでいた。そんなものを飲んではいけないと言って制したが、聞かないで何杯となくしゃくっては飲んでいた。彼女の目の周囲には紫色の輪ができていた事をはっきり思い出す事ができる。
昨年母の遺骨を守って帰省した時に、丑女はわざわざ十里の道を会いに来てくれた。