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あひるとさる
寺田寅彦随筆集 第五巻
寺田 寅彦
線上閱讀寺田 寅彦《寺田寅彦随筆集 第五巻(あひるとさる)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 194,515 字 · 389 頁
そうしないとせっかくのクライマックスが少し弱すぎるような気がする。
第二のクライマックスは赤穂城内で血盟の後復讐の真意を明かすところである。内蔵助が「目的はたった一つ」という言葉を繰り返す場面で、何かもう少しアクセントをつけるような編集法はないものかと思われた。たとえば城代の顔と二三の同志の顔のクローズアップ、それに第一のクライマックスに使われた「柱に突きささった刀」でもフラッシュバックさせるとか、なんとかもう一くふうあってもよさそうに思われた。
滅びた主家の家臣らが思い思いに離散して行く感傷的な終末に「荒城の月」の伴奏を入れたのは大衆向きで結構であるが、城郭や帆船のカットバックが少しくど過ぎてかえって効果をそぐ恐れがありはしないか。自分がいつも繰り返して言うようにもし映画製作者に多少でも俳諧連句の素養があらば、こういうところでいくらでも効果的な材料の使い方があるであろうと思われるのである。
早打ちの使者の道中を見せる一連の編集でも連句的手法を借りて来ればどんなにでも暗示的なおもしろみを出すことができたであろうと想像される。そういうことにかけてはおそらく日本人がいちばん長じているはずだと思われるのに、その長所を利用しないのが返す返すも残念なことである。