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あきかぜとはは

尾崎士郎短篇集

尾崎 士郎

線上閱讀尾崎 士郎《尾崎士郎短篇集(あきかぜとはは)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 108,032 字 · 216 頁

青空文庫

その頃、重だった一流の綜合雑誌といえば「中央公論」「改造」「解放」「中外」等を数えるくらいのものだったが、「解放」と「中外」は、経営困難に陥って廃刊し、僅かに存在を保っているものは「中央公論」と「改造」だけである。

当時の常識からいっても、綜合雑誌の経営は、よほどの財力を注入しなければ、ほとんど不可能とされていた。前に、中野の関係していた「東方時論」や、「大学評論」の廃刊もすべて主要な原因は財力の不足にあった。そういう時代的環境の中へ、何の先きぶれもなしに、大判で五、六百頁の部厚な綜合雑誌が突如として創刊されたのだから、異常なセンセイションを捲き起したことはいうまでもない。

そのとき、編集長として起用されたのが、大正十一年、私が上海放浪中に親しくなった中山栄三という中国研究家だったので、私は彼の好意に唆かされて、創作欄に百枚ちかい小説を執筆することになった。雑誌の計画はその年の七月頃から進められていたので、私が原稿を渡したのは八月三十日頃だったと思うが、私は中山君に懇請して、原稿と引換えに原稿料を支払ってもらった。その頃、「中央公論」の稿料が一枚五円だというので、文壇の事情に通暁しない中山君は、無名の新人である私にも五円の原稿料を支払った。