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やまにゆきひかる
山に雪光る
小川 未明
線上閱讀小川 未明《山に雪光る(やまにゆきひかる)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 1,914 字 · 4 頁
武男が、おじいさんのところへいくと秋の薬売りが、額の字を見ながら、おじいさんと話をしていました。いつしか、字の話から、山の話になったらしいのです。
「なにしろ、中央山脈の中でも、黒姫は、険阻といわれまして、六、七月ごろまで、雪があります。やっと、草や木の芽が出はじめると、薬になるのばかり百種ほどつんで、ねり合わせたのが、この薬ですから、腹痛や、食あたりなどによくききます。これをおいてまいりましょう。」と、薬売りは、袋にはいったのを、おじいさんの前へおきました。
おじいさんは、その袋を手にとって、さもなつかしそうに、ながめながら、
「それから、さっきの話の筆草というのを、こんどきなさるとき、わすれずに、見せてもらえまいかな。」といいました。
「来年の夏は、方々の山へまいります。私が見つけなければ、おちおうた行者に頼んで、どうにかして、手に入れてまいります。」
「ふしぎですな、自然にそんな草があるとは。」
「てんぐや、隠者が、それで字を書いたといいます。」
「私は、この年で、もう高い山へ上れないから、たのしみに、待っていますよ。」と、おじいさんは、頼んでいました。