輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
ひゃくものがたり
山椒大夫・高瀬舟
線上閱讀森 鴎外《山椒大夫・高瀬舟(ひゃくものがたり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 45,466 字 · 92 頁
それを先へ先へと考えてみますと、どうも妙です。わたしは変な心持がしてなりません」宇平は又膝を進めた。「おじさん。あなたはどうしてそんな平気な様子をしていられるのです」
宇平のこの詞を、叔父は非常な注意の集中を以て聞いていた。「そうか。そう思うのか。よく聴けよ。それは武運が拙くて、神にも仏にも見放されたら、お前の云う通だろう。人間はそうしたものではない。腰が起てば歩いて捜す。病気になれば寝ていて待つ。神仏の加護があれば敵にはいつか逢われる。歩いて行き合うかも知れぬが、寝ている所へ来るかも知れぬ」
宇平の口角には微かな、嘲るような微笑が閃いた。「おじさん。あなたは神や仏が本当に助けてくれるものだと思っていますか」
九郎右衛門は物に動ぜぬ男なのに、これを聞いた時には一種の気味悪さを感じた。「うん。それは分からん。分からんのが神仏だ」
宇平の態度は不思議に恬然としていて、いつもの興奮の状態とは違っている。「そうでしょう。神仏は分からぬものです。実はわたしはもう今までしたような事を罷めて、わたしの勝手にしようかと思っています」
九郎右衛門の目は大きく開いて、眉が高く挙がったが、見る見る蒼ざめた顔に血が升って、拳が固く握られた。