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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
線上閱讀林 不忘《巷説享保図絵・つづれ烏羽玉(こうせつきょうほうずえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 365,120 字 · 728 頁
ところが、お高の知っている限りでは、父は商法などからはおよそ遠い人物で、そんなことがあったとは、どうしても考えられなかった。
無言でいると、なおも一空さまがいうには、和泉屋は、おゆうの財産のほんの一部分で、ほかにも、家作や地所などふんだんに持っていたというのだ。こうなると、まことにおゆうは江戸有数の富豪だったといえる。お高は、そのおゆうの娘なのだ。お高は、夢の中で夢をみているような、奇異な気もちになっていった。
六
お高の母の父は、柘植宗庵といって、町医であった。それは、お高も知っているのだが、同時に、お高の知っているのは、それだけであった。
ところが、一空さまの語るところによると、この宗庵先生はただの町医ではなく、長崎で蘭人に接して医学を習得しながら、大いに密輸入をやったらしい。しまいには、医者よりもこのほうが本業になって、大いにもうけた。
こうして、あぶない橋を渡って大利を獲たばかりでなく、宗庵は、性来理財のみちに長じていた。江戸で、和泉屋をはじめ、その他種々の商売の黒幕となっていずれも利に利を重ね、隠然一つの黄金王国を形づくるにいたった。