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あるたんぼうきしゃのはなし
平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕
平林 初之輔
線上閱讀平林 初之輔《平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕(あるたんぼうきしゃのはなし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 113,247 字 · 229 頁
健作――そしてお前たちは、このベンチに腰をかけているんだね。だが、その時に他の男の客がでてきちゃまずいな。
久子――大丈夫、一時半から、手踊りがはじまるから、男の方はみんなそっちへ行くにきまってるわ。(二人は歩き出す)
健作――それもそうだな。ではもう一時すぎだからすぐ仕度をしてこよう。お前は一時半かっきりに、連中をつれてここへ来ていてくれんと困るぜ。(二人右手へ退場)
左手から東山が太いステッキをもってあらわれる。しばらくだまって二人の後ろ姿を見送ってから後をつけてゆき、一二分の後再びひきかえしてくる。
東山――(独白)何だか事件が複雑になってきたようだぞ。
芦田、牧ともにモーニングを着て右手から登場。
牧――やっぱり、我々をからかったのですよ。幾ら何でもこんな場所へ、まっ昼間出てくるもんですか。
芦田――そうかも知れん。だが一時半にはまだ十五分あるからな。それにあいつはこれまでにわしに予告をしておいて嘘をついたためしがない。きっといまに出てくるに相違ない。だが、こんな広い邸のどこへ出てくるか疑問じゃて。
ベンチにかけている東山を見つけて二人は足をとめる。