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ゆうれいやしきのさつじん

幽霊屋敷の殺人

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《幽霊屋敷の殺人(ゆうれいやしきのさつじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 9,339 字 · 19 頁

青空文庫

白堊館の夜

吾郎は表門からでてゆくと、反対に裏門から拳骨壮太が、白い布で包んだ細長い荷物を持って忍びこんできた。

そして、三十分ほどして、吾郎が松川理学士の返辞をもって帰った時には、最早壮太の姿はなく、龍介は書斎でしきりになにか考えごとをしていた。理学士の返辞を受取ると、龍介はあけて見もせず、引裂いて、白堊館を出た。

「さあ、いよいよ明日だぞ!」

門を出た龍介は愉快そうに叫んだ。

白堊館の夜

その翌日、午前中龍介は警視庁に電話をかけて「九時までに約束どおり!」と、念をおしていた。それから拳骨壮太を呼んで、くりかえしくりかえし、

「僕が合図するまでにはどんなことがあっても出てきてはいけないぞ!」と、何事か命令した。

かくて、いよいよその日の午後十時三十分である。闇の中を走ってきた自動車が一台、白堊館の前に停まった。それは龍介との約束によってやってきた松川理学士だった。

勝手知った亡き博士の書斎へきてみると、すでに龍介少年は来て待っていた。二人は軽く挨拶して席についた。

「松川さん!」まず龍介が口をきった「実はこの白堊館について、大変な秘密が発見されたのです※(感嘆符二つ、1-8-75)」