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おはぎとななくさがゆ

御萩と七種粥

河上 肇

線上閱讀河上 肇《御萩と七種粥(おはぎとななくさがゆ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 11,614 字 · 23 頁

青空文庫

この控には、「四月二十七日被下被差免候」との追記がある。

叔母には子が出来なかった。そして、どういう事情からであったか、明治十年十月七日、彼女は藤村家から離縁になって家に帰った。その時二十八歳である。

しかし二ヶ月後の明治十一年一月五日には、玉井進という人の妻になった。この人は当時山口県庁の役人をしていた人で、叔母もまた山口に行った。

叔母が玉井家に嫁いだ明治十一年には、私の父もすでに三十一歳になっていたが、この年の六月十五日に初めて、同族河上又三郎の次女タヅと結婚した。それが私の母で、文久二年八月誕生の彼女は、当時十七歳、正確に云えば満十五歳十ヶ月であった。

私が生れたのは、その翌年の十月二十日である。従って以上の出来事は、みな私の見ることの出来なかった事実に属する。

しかし叔母に関する私の最初の記憶は、後に述べるような事情から、彼女が藤村家に居た時代にまで遡る。私は幼い頃、祖母に連れられて、幾度か叔母の許を訪ねた。

私の家は錦川に沿うて造られた土手に近かった。その土手の上を暫く城山の方に向って歩いてゆくと、渡場があった。舟に乗せて貰って向うへ渡ると、そこが川西と称される地帯で、叔母のうちは、その川西の山手にあった。