輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ふくいんさつじんじけん

復員殺人事件

坂口 安吾

線上閱讀坂口 安吾《復員殺人事件(ふくいんさつじんじけん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 96,621 字 · 195 頁

青空文庫

第六章 美津子の紐

安彦君をつれてきてくれたまえ」

「ハア。命じておきましたから、すぐ連れさせましょう」

と、立ち去ったが、まもなくセカセカ戻ってきた。顔色が変っていた。

「巡査が報告を怠っておりましてね。どの部屋もカギがかゝって応答がないというのです。オイ、そっちの部屋も、そうか」

三村刑事は廊下の奥手に張り番している巡査の方に怒鳴ったが、自分で立ち上って、とんで行った。はげしく由之の扉を叩いたが、やっぱり応答がない。

「モトはカギをかけずに安彦の部屋をでたといった筈だが、オイ、女中からカギをかりて、あらゆる部屋をあけて見ろ」

大矢捜査主任はそう命じた。数名の刑事がすぐ立って、モトに合いカギをださせて、各々の部屋があけられたが、各室から通報されたものは、意外な事実であった。

安彦。絞殺、死亡。

美津子。昏酔。反応なし。

由之。いったん返答せるも、フトンをかぶって熟睡をつゞけつゝあり。

由子。(由之の部屋に同居)いったん返答せるも、尚、完全なる覚醒に至らず。

第六章 美津子の紐

それらの報告とまったく同時に、巡査にひきたてられてきたのは蛸の重吉であった。

「この男が今、裏門から帰ってきました」