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あやしのやかた

怪しの館 短編

国枝 史郎

線上閱讀国枝 史郎《怪しの館 短編(あやしのやかた)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 81,915 字 · 165 頁

青空文庫

すると呟きの終えないうちに、土塀の上へ黒々と、五つの人影が現われた。同じである、覆面姿、武士であることはいうまでもない。じっと地面を見下ろしたが、どうやら不思議に思ったらしい、五人ヒソヒソ囁き出した。

と、キラキラと光り物がした。

五人ながら刀を抜いたのである。

それが月光を刎ねたのである。

「オイ」と一人の声がした。

「うむ」と答える声がした。

「やられたらしい」ともう一人の声。

「島路と、そうして大里だ」

「そうらしいの」ともう一人。

「敵に防備があるらしい」さらにもう一人の声がした。

と、一人が振り返った。「味方両人してやられてござる。……いかがしましょうな、花垣殿?」

すると門外から返辞がした。

「防備あるのがむしろ当然。……よろしい拙者も参るとしよう。……六人同時に切り込むといたそう」

すぐにもう一つの人影が、土塀の上へ現われた。

同一の覆面である。

「では」

というと飛び下りた。

六人一緒に集まったが、二つの死骸を調べ出した。

木影で見ていた旗二郎、「これはいけない」と考えた。「六人と一人では勝負にならぬ。引っ返して屋敷の人達に、このありさまを知らせてやろう」