輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

あくいんねんのうらみ

悪因縁の怨

江見 水蔭

線上閱讀江見 水蔭《悪因縁の怨(あくいんねんのうらみ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 13,705 字 · 28 頁

青空文庫

岸から船を離して艪を漕いで中洲の蘆間に入ったのを、誰も見ている者は無かったが、喫驚したのは葭原雀で、パッタリ、鳴く音を留めて了った。

中洲の掘割の水筋に、船は入って見えなくはなったが、その過ぎるところの蘆の穂が、次ぎから次ぎと動揺しているのだけは見えていた。

その留ったところに、船は繋ったのであろう。葭原雀は又しても囀り出した。

海の方からして、真黒な雲が出て来たと思うと、早手の風が吹起って、川浪も立てば、穂波も立ち、見る見る昼も夜の如く暗くなって、大夕立、大雷鳴。川上の矢口の渡で新田義興の亡霊が、江戸遠江守を震死せしめた、その大雷雨の時もかくやと思わしめた。

六

「仏罰恐るべし恐るべし。女難除けの御守を代参で受け様なんて、御前の心得方が違っているので、忽ちこの大夕立だ。田を三廻りの神ならばどころでないね。しかし我々は百姓家に飛込んで、雨宿りは出来た様なものの船ではどうも仕様が無かったろう」と宗匠は雪駄を市助に持って貰い、脱いだ足袋を自分で持って、裾をからげながら田甫路を歩いた。

「どうせお旦那はお濡れなさいましたよ。どうしても清元の出語りでね、役者がこちとらと違って、両方とも好う御座いまさア」