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すうことのほそく
数言の補足
宮本 百合子
線上閱讀宮本 百合子《数言の補足(すうことのほそく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 1,813 字 · 4 頁
八月七日の本紙に、伊藤整氏が同氏の作「幽鬼の町」に就て書いた私の月評に反駁した文章を発表された。編輯者は、私からそれに答える文を求めている。生活及文学に対する私の態度を盲目的な偏執又は非芸術的な機械性と云われている点や錯覚されている「社会善的潔癖さ」などという伊藤氏の理解について、第三者には自ずから明かである。その見方の誤りやそういう人間の見方そのものにあらわれている筆者の感情、偏執その他についてここでくどくどとふれる必要はないと思う。私はこの機会に月評の中で述べたいと思って枚数の足りなかったために書き洩した一つ二つのことについて書きたい。
伊藤氏は、「幽鬼の町」を「小林多喜二的なものについて、芥川龍之介的なものについての現代の青年の批判と反応を、あの作品ほど明かに提出したものは近来ないと僕は信じている」と云い、くりかえし「芸術的ユーモア」という言葉で自身の居り場を語っていられる。
日本はこの十年来、猛烈な動きを経験しつつある。インテリゲンチャ大衆の心持も大いに動いた。往年、その事大主義的な天質に従って学生運動の頭領となった一人の男が、同じ天質に従って今日は文化に対する統制の旗ふりとなっている現実である。