輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

しんたからじま

新宝島

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《新宝島(しんたからじま)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 99,590 字 · 197 頁

青空文庫

あれをもいで、中のつゆをすえばいいんだよ」

何事にも頭の働きの早い哲雄君が、一本の椰子のてっぺんを指さして、うれしそうに叫びました。

「ア、ほんとだ。椰子の木があるのに、椰子の実に気がつかないなんて、僕たちどうかしているね。でも、これは何だかくさっていそうだから、やっぱり木になっている奴を取った方がいいね。三人の中で木登のうまいのは誰だっけ」

一郎君が保君の顔を見て、クスリと笑いながら言いました。たずねるまでもなく、木登といえば保君がその方の名人だったからです。

「ハイ、僕!」

保君は教室でするように、右手を高くあげて、それに答えました。でも、日本にある木とちがって、下枝というもののまったくない、まるで太い竿を立てたような椰子の木登は、さすがの名人にもちょっと自信がないらしく、小首をかたむけていましたが、しかし、すぐ何か思いついたらしく、

「ああ、うまい方法がある。ちょっとまっててね」

そういいながら、保君は一目散に海岸の方へ走って行きました。そして、しばらくしますと、一メートルより少し短い麻縄の両端をむすんで、輪にしたものをもって帰って来ました。縄は三人の体をボートの腰かけ板にしばったあの縄、ジャック・ナイフでそれを手ごろの長さに切りとったのです。