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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 185,353 字 · 371 頁

青空文庫

この間、およそ六年。

彼は、まだ自分の前途に、一縷の明りさえ見られなかった。

その後ふと、彼は、

「そうだ、三国の園阿御房を訪ねてみよう」

と、一人の知己を、その暗黒な境遇の中で思い出した。

越前船坂の称念寺の僧である。文通などしたことがあって、わずかに知り合っている仲ではあったが、頼って行ってみた。

園阿は、彼の人物を愛してか、非常によく面倒をみてくれた。称念寺の門前に、一軒借りて、光秀はまたしばらくここでも寺子屋の先生として、蟄伏していた。

そのうちに、この地方では、春秋の訪れと同様にしばしばある一向宗の乱が、彼が移住した後も、のべつに起った。

ここは、朝倉義景の領で、その居城がある。一乗谷にある。光秀はもとより寺子屋の師匠が能事ではない。彼は一、二年のうちに、かなり国主の内政や、この地方特有な争乱などに精通した。

或る年。

加州の境へ、宗徒討伐に向った朝倉軍は、冬季をこえての長陣となった。光秀は、日頃、世話になっている園阿へ、

「ちと、愚考があるので、朝倉家へ献策してみたいと思いますが、誰方がよろしかろう」

と、訊ねた。

園阿は、彼の志を知っているので、