輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 185,353 字 · 371 頁

青空文庫

と、寧子もいう。

藤吉郎は、わざと丁寧に、

「何といわれても、伺候を怠った罪は、親には不孝、女房には無情、申しわけもなし。かくの如く、謝り入り奉る」

と、頓首した。

「ホホホホ」

「ははは」

老母も、妻も侍女も、居合わした舎弟の小十郎も、笑いくずれた。

藤吉郎は、それからも、軽口や冗談ばかりいって、しまいには老母が、

「もうやめてたも。おかしゅうて、おかしゅうて、お腹の皮がいとうなるがの」

と、涙をこぼすほど、皆を笑わせていた。

そのうちに、藤吉郎はふと、片隅の方に、ちょこなんと坐っている七歳ばかりの男の児と、その側にある貧しげな後家風の女に気がついて、

「おや?」

と、眼をとめた。

藤吉郎が、オヤと、眼を注ぐと、子を連れた後家は顔を紅らめて、俯向いた。

彼は、大きな声で、

「それにいるのは、藪山の叔母御ではないかな――母上、あれなる後家どのは、中村の光明寺の山にいた叔母御でしょう」

と、側の老母へ向ってたずねた。

老母は、うなずいて、

「よう覚えておいでたの。いかにも、藪山の加藤弾正どのへ嫁いた、おえつじゃがな」

と、いった。

「おう、やはり藪山の叔母御でしたか。