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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 197,228 字 · 394 頁
に献策して来た人物だった。
中国にはもとより毛利という大勢力がある。毛利を繞る衛星としては、播州に赤松、別所があり、南部中国には宇喜多、北部の波多野一族などあって、その勢力圏は、安芸、周防、長門、備後、備中、美作、出雲、伯耆、隠岐、因幡、但馬――など約十二ヵ国にまたがっている。
その中に住みながら、その周囲の事大主義にとらわれず、大局から観て、
(天下はこう趨く)
と、早くから卓見をもって、ひとり信長に働きかけて来た黒田官兵衛というものは、けだしそれだけでも凡物ではない。よほど傑出していた具眼者といっていい。
英雄英雄を知るというか、一会の座談は、秀吉と官兵衛とを、百年の知己のように、ふかく結んだ。
また、信長はその席で、
「さだめし、そちの髀肉も、だいぶ肥えたであろう。即刻、信貴山におる信忠の加勢に赴け。――こんどは陣中で喧嘩などすな」
と、いった。
「ありがとう存じます」
秀吉は、勇躍して退った。――信貴山城の松永久秀は、先頃から叛旗をひるがえし、信長の嫡子信忠、佐久間、明智、丹羽、筒井、細川などの諸軍はことごとく北陸から転じて、一斉に彼を攻めつつあるところだった。