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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 197,228 字 · 394 頁

青空文庫

に、反信長色に塗りつぶされてしまったのである。

その主力は、ここでも、明らかに、一向門徒の武器と財力と信仰に結束した旧朝倉の残党、その他の混成軍だった。

それを遠くから援護するものに――西に中国の毛利家あり、北に甲斐の武田氏、越後の上杉家などがある。

軍、外交、経済、あらゆる懸引は国々の方針によって、何とも簡単でない。

晩秋、越山はもう白かった。

そこを越えて、越前へはいった信長軍の主力は、丹羽五郎左衛門長秀と、羽柴筑前守秀吉。

一揆はたちまち征服された。

翌年、両将は雪にとざされぬうちに、凱旋した。

春は、天正二年となっていた。

けれど、一月もすぎると、またふたたび越前の領内には、騒然たる空気があがっていた。

「始末のわるい! ……」

と、さすがの信長も舌打ちした。けれどまた、それに癇を立てて、一方的に焦躁することを、彼はひそかに戒めていた。――むしろ、

「その策にはのらんぞ」

という堅持をまもって、わざと、そしらぬ振りをよそおっていた。

この期間を、信長が、もっとも急務としていたのは、かえって、内政の充実と、軍備の再編成。そして自己の勢力圏内にある民心に、将来の泰平と、統業の実を示すにあった。