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めいじびじんでん

新編 近代美人伝 (上)

長谷川 時雨

線上閱讀長谷川 時雨《新編 近代美人伝 (上)(めいじびじんでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 129,076 字 · 256 頁

青空文庫

男が一度跳飛ばされながら、瀕死の女を抱いて、決して一人では死なせないという事を耳に口をよせて繰返しきかせて後自刃したのは、彼れの品性の高く情操のいかに清らかで、純な情熱の所有者であったかという事を一般に認めさせ非常に同情を集めた。

その当時、ある夜私は三人の青年文学者と、(三富朽葉・今井白楊・三上於菟吉)ふとしたはめからその事について言争った。三人の男性も真剣になって説を通そうとした。へなへなした私も、へこまされまいとして自分の所信だけは曲げなかった。暁の鶏の声が聴えるまで春の夜の寒さに顫えながら、互いに論じ語った。もうなかごろから倉持と鎌子夫人の名は預けおかれて、高遠な芸術と理想論とになってしまったが、つまりいつも男性はあらゆる複雑さを通り越して、単純に帰一させようとする純粋性というものにむかって突進むが、女性はある事に触れるたびにその環境に動かされやすく、感情に殉じやすいのは当然である。それゆえに彼れらの同情は年若く、熱情に充ちたらしい青年の方へばかり傾くと――しかし私はやっぱり鎌子のために、一切の彼女の生活の背景を考えてやらずにはいられない。