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ぎんがてつどうのよる
新編 銀河鉄道の夜
線上閱讀宮沢 賢治《新編 銀河鉄道の夜(ぎんがてつどうのよる)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 135,030 字 · 274 頁
こいつを聞いたオツベルは、ことごと象につらくした。
ある晩、象は象小屋で、ふらふら倒れて地べたに座り、藁もたべずに、十一日の月を見て、
「もう、さようなら、サンタマリア。」と斯う言った。
「おや、何だって? さよならだ?」月が俄かに象に訊く。
「ええ、さよならです。サンタマリア。」
「何だい、なりばかり大きくて、からっきし意気地のないやつだなあ。仲間へ手紙を書いたらいいや。」月がわらって斯う云った。
「お筆も紙もありませんよう。」象は細ういきれいな声で、しくしくしくしく泣き出した。
「そら、これでしょう。」すぐ眼の前で、可愛い子どもの声がした。象が頭を上げて見ると、赤い着物の童子が立って、硯と紙を捧げていた。象は早速手紙を書いた。
「ぼくはずいぶん眼にあっている。みんなで出て来て助けてくれ。」
童子はすぐに手紙をもって、林の方へあるいて行った。
赤衣の童子が、そうして山に着いたのは、ちょうどひるめしごろだった。このとき山の象どもは、沙羅樹の下のくらがりで、碁などをやっていたのだが、額をあつめてこれを見た。
「ぼくはずいぶん眼にあっている。みんなで出てきて助けてくれ。