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しんていきららざか

新訂雲母阪

直木 三十五

線上閱讀直木 三十五《新訂雲母阪(しんていきららざか)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 5,792 字 · 12 頁

青空文庫

七

「黙って案内しろ。」

七

二人の流し。

「こういう生活もいいな。」

女にとっては

「これに限る――このまゝで居たい。」

だが、二人が流している時に、通りすぎる駕には勿論、お俊が乗っていなくてはならぬ。そして、二人が茶店へ呼ばれて上った奥の小間にはお俊がいた。

「こういう姿で無いと昼間歩きもできぬ。丁度人目を胡麻化すにはいい伴れで。」

お新は胡麻化し道具にされているのが口惜しいと共に、お俊は胡麻化されているようなのが口惜しかった。

こういう場合、男女の何れにとっても最上の方法は三人共別々になる事である。

「何よりも先に山田を捕えて白状させなければ――」

「お新は一まず元へ戻り、お俊殿は山田の様子をさぐりに、私は京へ出て知らせを待つとしよう。」

「では途中まで――」

「いや、こうきまる上は、北国を廻って安全な道を、京の宿所は妙心寺内。」

「そうきまれば、お新さんと私は――」

「いいえ、妾は一人で――」

「では、――御無事に。」

「妾は元へ戻りませぬ。」

「何うして?」

「さあ、何うなりますやら――お俊さま。」

却説、山田某。女共の軽い口からちらちら洩れる噂も気になるし、折柄の坂本警護を、いゝ機に、彦根を出、江洲へ行った。