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いっすんぼうし

日本の古典童話

楠山 正雄

線上閱讀楠山 正雄《日本の古典童話(いっすんぼうし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 24,747 字 · 50 頁

青空文庫

一寸法師はその槌を手に持って、

「これは鬼の忘れて行った打ち出の小槌です。これを振れば、何でもほしいと思うものが出てきます。ごらんなさい、今ここでわたしの背を打ち出してお目にかけますから。」

こういって、一寸法師は、打ち出の小槌を振り上げて、

「一寸法師よ、大きくなれ。あたり前の背になれ。」

といいながら、一度振りますと背が一尺のび、二度振りますと三尺のび、三度めには六尺に近いりっぱな大男になりました。

お姫さまはそのたんびに目をまるくして、

「まあ、まあ。」

といっておいでになりました。

一寸法師は大きくなったので、もううれしくってうれしくって、立ったりしゃがんだり、うしろを振り向いたり、前を見たり、自分で自分の体をめずらしそうにながめていましたが、一通りながめてしまうと、急に三日三晩なんにも食べないで、おなかのへっていることを思い出しました。そこでさっそく打ち出の小槌を振って、そこへ食べきれないほどのごちそうを振り出して、お姫さまと二人で仲よく食べました。

ごちそうを食べてしまうと、こんどは金銀、さんご、るり、めのうと、いろいろの宝を打ち出しました。