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いっすんぼうし
日本の古典童話
楠山 正雄
線上閱讀楠山 正雄《日本の古典童話(いっすんぼうし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 24,747 字 · 50 頁
また向こうで亡くなってしまったら、そのまま、この家をお前さんのものにして下さい。べつに子供もないことだから、後でぐずぐずいうものはだれもないのです。」
といって、家まであずけて立って行きました。
若者はとんだ拾い物をしたと思って、いわれるままにその家に住みました。たった一人の暮らしですから、当分はもらったお米で、不自由なく暮らしていきました。
そのうちに人を使って田を作らせて、三町の田の半分を自分の食料に、あとの半分を人に貸して、だんだんこの土地に落ち着くようになりました。
秋になって刈り入れをするころになると、人に貸した方の田はあたり前の出来でしたが、自分の分に作った方の田は大そうよくみのりました。それからというものは、風でちりを吹きためるように、どんどんお金がたまって、とうとう大金持ちになりました。家をあずけて行った人も、そのまま幾年たっても帰って来ませんでしたから、家もとうとう自分のものになりました。
そのうちに、若者はいいお嫁さんをもらって、子供や孫がたくさん出来ました。そしてにぎやかなおもしろい一生をおくるようになりました。
一本のわらが、とうとう、これだけの福運をかき寄せてくれたのです。