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いっすんぼうし
日本の古典童話
楠山 正雄
線上閱讀楠山 正雄《日本の古典童話(いっすんぼうし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 24,747 字 · 50 頁
「やれやれ、お連れが出来て有り難い。」
といいながら、そっとうろの中から顔を出してのぞいてみますと、まあどうでしょう、それは人ではなくって、ふしぎな化け物が、何十人となくぞろぞろ出てくるのです。青い着物を着た赤鬼もいました。赤い着物を着た黒鬼もいました。それが山猫の目のようにきらきら光る明かりを先に立てて、どやどや下りてくるのです。
おじいさんは肝をつぶして、またうろの中へ首を引っ込めてしまいました。そしてぶるぶるふるえながら、小さくなって息を殺していました。
鬼どもはやがて、おじいさんの居るうろの前まで来ますと、がやがやいいながら、みんなそこに立ち止まってしまいました。おじいさんは、「おやおや。」と思いながら、いよいよ小さくなっていますと、そのうちのおかしららしいのが、真ん中に座って、その右と左へ外の鬼たちがずらりと二かわに並びました。よく見ると目の一つしかないのや、口のまるでないのや、鼻の欠けたのや、それはそれは何ともいえない気味の悪い顔をした、いろいろな化け物が押しくらをしておりました。
そのうちお酒が出ますと、みんなお互いに土器のお杯をうけたり、さしたり、まるで人間のするとおりの、楽しそうなお酒盛りがはじまりました。