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いっすんぼうし

日本の古典童話

楠山 正雄

線上閱讀楠山 正雄《日本の古典童話(いっすんぼうし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 24,747 字 · 50 頁

青空文庫

一寸法師は、

「なんでも出世をするには、まずだれかえらい人の家来になって、それからだんだんにし上げなければならない。これこそいちばんえらい人のお屋敷に違いない。」

と思って、のこのこ門の中に入っていきました。広い砂利道をさんざん歩いて、大きな玄関の前に立ちました。なるほどここは三条の宰相殿といって、羽ぶりのいい大臣のお屋敷でした。

そのとき一寸法師は、ありったけの大きな声で、

「ごめん下さい。」

とどなりました。でも聞こえないとみえて、だれも出てくるものがないので、こんどはいっそう大きな声を出して、

「ごめん下さい。」

とどなりました。

三度めに一寸法師が、

「ごめん下さい。」

とどなった時、ちょうどどこかへおでましになるつもりで、玄関までおいでになった宰相殿が、その声を聞きつけて、出てごらんになりました。しかしだれも玄関には居ませんでした。ふしぎに思ってそこらをお見回しになりますと、靴ぬぎにそろえてある足駄の陰に、豆粒のような男が一人、反り身になってつっ立っていました。宰相殿はびっくりして、

「お前か、今呼んだのは。」

「はい、わたくしでございます。」

「お前は何者だ。