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なかじきり
日本の文学 2 森鴎外(一)
線上閱讀森 鴎外《日本の文学 2 森鴎外(一)(なかじきり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 22,092 字 · 45 頁
これに反して仮りに古言を引き離して今体文に用いたらどうであろう。極端な例をいえば、これを口語体の文に用いたらどうであろう。
文章を愛好する人はこれを見て、必ずや憤慨するであろう。口語体の文は文にあらずという人はしばらくおく。これを文として視ることをゆるす人でも、古言をその中に用いたのを見たら、希世の宝が粗暴な手によって毀たれたのを惜しんで、作者を陋とせずにはいぬであろう。
以上は保守の見解である。わたくしはこれを首肯する。そして不用意に古言を用いることを嫌う。
しかしわたくしは保守の見解にのみ安住している窮屈に堪えない。そこで今体文を作っているうちに、ふと古言を用いる。口語体の文においてもまた恬としてこれを用いる。着意してあえて用いるのである。
そして自分で自分に分疏をする。それはこうである。古言は宝である。しかし什襲してこれを蔵しておくのは、宝の持ちぐされである。たとい尊重して用いずにおくにしても、用いざれば死物である。わたくしは宝を掘り出して活かしてこれを用いる。わたくしは古言に新たなる性命を与える。古言の帯びている固有の色は、これがために滅びよう。