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うんめい
日本の文学 3 五重塔・運命
幸田 露伴
線上閱讀幸田 露伴《日本の文学 3 五重塔・運命(うんめい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。
N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 100,648 字 · 198 頁
下 化城諭品の諫も聴ぬ執着
人情、是非もなけれど抑々仏師は光孝天皇是忠の親王等の系に出て定朝初めて綱位を受け、中々賎まるべき者にあらず、西洋にては声なき詩の色あるを絵と云い、景なき絵の魂凝しを彫像と云う程尊む技を為す吾、ミチエルアンジロにもやはか劣るべき、仮令令嬢の夫たるとも何の不都合あるべきとは云え、蝸牛の角立て何の益なし、残念や無念やと癇癪の牙は噛めども食付所なければ、尚一段の憤悶を増して、果は腑甲斐なき此身惜からずエヽ木曾川の逆巻水に命を洗ってお辰見ざりし前に生れかわりたしと血相変る夜半もありし。
下 化城諭品の諫も聴ぬ執着
痩たりや/\、病気揚句を恋に責られ、悲に絞られて、此身細々と心引立ず、浮藻足をからむ泥沼の深水にはまり、又は露多き苔道をあゆむに山蛭ひいやりと襟に落るなど怪しき夢計見て覚際胸あしく、日の光さえ此頃は薄うなったかと疑うまで天地を我につれなき者の様恨む珠運、旅路にかりそめの長居、最早三月近くなるにも心付ねば、まして奈良へと日課十里の行脚どころか家内をあるく勇気さえなく、昼は転寝勝に時々怪しからぬ囈語しながら、人の顔見ては戯談一トつ云わず、にやりともせず、世は漸く春めきて青空を渡る