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うんめい

日本の文学 3 五重塔・運命

幸田 露伴

線上閱讀幸田 露伴《日本の文学 3 五重塔・運命(うんめい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。

N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 100,648 字 · 198 頁

青空文庫

遺詔無しと雖も、当に大位に登るべきのみ。特に大位に登るべしというは、朝野の間、或は皇太孫の大位に登らざらんことを欲する者あり、太孫の年少く勇乏しき、自ら謙譲して諸王の中の材雄に略大なる者に位を遜らんことを欲する者ありしが如きをも猜せしむ。仁明孝友、天下心を帰す、と云えるは、何ぞや。明の世を治むる、纔に三十一年、元の裔猶未だ滅びず、中国に在るもの無しと雖も、漠北に、塞西に、辺南に、元の同種の広大の地域を有して踞するもの存し、太祖崩じて後二十余年にして猶大に興和に寇するあり。国外の情是の如し。而して域内の事、また英主の世を御せんことを幸とせずんばあらず。仁明孝友は固より尚ぶべしと雖も、時勢の要するところ、実は雄材大略なり。仁明孝友、天下心を帰するというと雖も、或は恐る、天下を十にして其の心を帰する者七八に過ぎざらんことを。中外文武臣僚、心を同じゅうして輔祐し、以て吾が民を福せよ、といえるは、文武臣僚の中、心を同じゅうせざる者あるを懼るゝに似たり。太祖の心、それ安んぜざる有る耶、非耶。諸王は国中に臨きて京に至るを得る無かれ、と云えるは、何ぞや。諸王の其封国を空しゅうして奸※の乗ずるところとならんことを虞るというも、諸王の臣、豈一時を托するに足る者無からんや。