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うんめい
日本の文学 3 五重塔・運命
幸田 露伴
線上閱讀幸田 露伴《日本の文学 3 五重塔・運命(うんめい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。
N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 100,648 字 · 198 頁
されば燕王まことに狂したりと謂う者もあり、朝廷も稍これを信ぜんとするに至りけるが、葛誠ひそかに※(「日/丙」、第3水準1-85-16)と貴とに告げて、燕王の狂は、一時の急を緩くして、後日の計に便にせんまでの詐に過ぎず、本より恙無きのみ、と知らせたり。たま/\燕王の護衛百戸の庸というもの、闕に詣り事を奏したりけるを、斉泰請いて執えて鞠問しけるに、王が将に兵を挙げんとするの状をば逐一に白したり。
待設けたる斉泰は、たゞちに符を発し使を遣わし、往いて燕府の官属を逮捕せしめ、密に謝貴張をして、燕府に在りて内応を約せる長史葛誠、指揮盧振と気脈を通ぜしめ、北平都指揮張信というものゝ、燕王の信任するところとなるを利し、密勅を下して、急に燕王を執えしむ。信は命を受けて憂懼為すところを知らず、情誼を思えば燕王に負くに忍びず、勅命を重んずれば私恩を論ずる能わず、進退両難にして、行止ともに艱く、左思右慮、心終に決する能わねば、苦悶の色は面にもあらわれたり。信が母疑いて、何事のあればにや、汝の深憂太息することよ、と詰り問う。信是非に及ばず、事の始末を告ぐれば、母大に驚いて曰く、不可なり、汝が父の興、毎に言えり王気燕に在りと、それ王者は死せず、燕王は汝の能く擒にするところにあらざるなり、燕王に負いて家を滅することなかれと。