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うんめい
日本の文学 3 五重塔・運命
幸田 露伴
線上閱讀幸田 露伴《日本の文学 3 五重塔・運命(うんめい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。
N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 100,648 字 · 198 頁
賽児何ぞ実に建文の為に兵を挙げんや。たゞ一婦人の身を以て兵を起し城を屠り、安遠侯柳升をして征戦に労し、都指揮衛青をして撃攘に力めしめ、都指揮劉忠をして戦歿せしめ、山東の地をして一時騒擾せしむるに至りたるもの、真に是れ稗史の好題目たり。之に加うるに賽児が洞見預察の明を有し、幻怪詭秘の術を能くし、天書宝剣を得て、恵民布教の事を為せるも、亦真に是れ稗史の絶好資料たらずんばあらず。賽児の実蹟既に是の如し。此を仮り来りて以て建文の位を遜れるに涙を堕し、燕棣の国を奪えるに歯を切り、慷慨悲憤して以て回天の業を為さんとするの女英雄となす。女仙外史の人の愛読耽翫を惹く所以のもの、決して尠少にあらずして、而して又実に一篇の淋漓たる筆墨、巍峨たる結構を得る所以のもの、決して偶然にあらざるを見る。
賽児は蒲台府の民林三の妻、少きより仏を好み経を誦せるのみ、別に異ありしにあらず。林三死して之を郊外に葬る。賽児墓に祭りて、回るさの路、一山の麓を経たりしに、たま/\豪雨の後にして土崩れ石露われたり。これを視るに石匣なりければ、就いて窺いて遂に異書と宝剣とを得たり。賽児これより妖術に通じ、紙を剪って人馬となし、剣を揮って咒祝を為し、髪を削って尼となり、教を里閭に布く。