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あべいちぞく
日本の文学 3 森鴎外(二)
線上閱讀森 鴎外《日本の文学 3 森鴎外(二)(あべいちぞく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 68,545 字 · 140 頁
あくる日に国分寺からは諸方へ人が出た。石浦に往ったものは、安寿の入水のことを聞いて来た。南の方へ往ったものは、三郎の率いた討手が田辺まで往って引き返したことを聞いて来た。
中二日おいて、曇猛律師が田辺の方へ向いて寺を出た。盥ほどある鉄の受糧器を持って、腕の太さの錫杖を衝いている。あとからは頭を剃りこくって三衣を着た厨子王がついて行く。
二人は真昼に街道を歩いて、夜は所々の寺に泊った。山城の朱雀野に来て、律師は権現堂に休んで、厨子王に別れた。「守本尊を大切にして往け。父母の消息はきっと知れる」と言い聞かせて、律師は踵を旋した。亡くなった姉と同じことを言う坊様だと、厨子王は思った。
都に上った厨子王は、僧形になっているので、東山の清水寺に泊った。
籠堂に寝て、あくる朝目がさめると、直衣に烏帽子を着て指貫をはいた老人が、枕もとに立っていて言った。「お前は誰の子じゃ。何か大切な物を持っているなら、どうぞおれに見せてくれい。おれは娘の病気の平癒を祈るために、ゆうべここに参籠した。すると夢にお告げがあった。左の格子に寝ている童がよい守本尊を持っている。それを借りて拝ませいということじゃ。